2010-05-01

A personal annotations of Veach's thesis (6)

Here is my Japanese translation, part 2/3.

Robust Monte Carlo Methods for Light Transport Simulation
光輸送シミュレーションのためのロバストなモンテカルロ法

著者(Author): Eric Veach
Translated by Lx=d HY

1.1 光輸送問題

コンピュータグラフィクスの分野で光輸送シミュレーションは,現実のシーンと見紛うほどリアルな人工的な世界を作成する人々を助ける道具として利用されている.そのような道具には,物体の形状や表面の散乱属性などの仮想世界の環境の記述が入力されている.さらに,光源についての情報や,視点の情報も与えられている.これらの情報をもとに,光輸送アルゴリズムは現実の物理学に基いて光の振舞いをシミュレーションし,写実的で正確な画像を生成することを試みる.

1.1.1 なぜ光輸送は重要なのか

光輸送アルゴリズムの大きな目標の一つは,写実的な仮想環境モデルを人が効率的に生成することを助けることである.たとえば,現時点で,コンピュータアニメーションではよりリアルな光源をデザインすることに多大な努力が払われている.主な問題は,プロダクションで利用されている(スキャンラインやレイトレーシングなど)のアルゴリズムは通常間接光をシミュレートする能力がないか,限られた能力しかないことである.つまりライトが置かれた時点で通常は間接光が自動的に計算されることはほとんどない.そのかわり,それらの効果は人によって注意深く置かれた見えない光源によって模造されることがしばしばである.もし,我々がロバストな光輸送アルゴリズムによってこれらの間接光を自動で計算することができるなら,シーンのライティングを行う人の仕事はより簡単になる.

光輸送シミュレーションのその他の応用は予測可能なモデリングである.つまり実際に製作する前にこれから作成するものの外見を予測したいという欲求があり,これに応えようというものである.建築や製品デザインの分野ではこのような要求は明らかに必要とされている.これらの応用ではレンダリングの結果は客観的に正確であり,かつ,見た目も良いものであることが重要である.

最後にグラフィックスの分野での光輸送の技術を発展させることは,結局物理学や工学にの発展にも寄与する可能性が高い.1.6節ではこれらの可能性について詳しく議論する.

もしロバストな光輸送アルゴリズムが開発されれば,我々はこれが広く利用されると信じている.より簡単でより強力なアルゴリズムは,最終的にはいくつかの状況で複雑だが,現時点で性能の高いアルゴリズムよりも好まれる.これは一般的なコンピュータソフトウェアの傾向である.つまり,人が状況に応じてパラメータのチューニングを行なってそれによって高速に結果を得るようなアルゴリズムよりも,計算時間は多少かかっても,パラメータのチューニング,つまり人間が複雑な役割を果たさないような単純で強力なアルゴリズムが最終的には好まれるという傾向である.我々は簡単で,正確な光輸送のシュミレーションのもたらす利益は,多少計算コストが高いことは,人間のコストに比較してあまり影響がないと感じている.

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